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イタリア料理のブームも手伝って、オリーブ・オイルは日本の家庭にもすっかりお馴染みになりましたが、本場のイタリアや地中海沿岸の地域とは、使い方やそのものに対する認識に大きな隔たりがあるように思います。 われわれ日本人は、オリーブ・オイルと言うからには油の一種だろうと、他の油脂類と同様の使い方ばかりに向かいがちですが、彼等はオリーブの実から絞った果汁であり、最高の調味料であると考えているようです 成る程、果実から採れるオイルは他にありませんし、日本の食堂のテーブルに、醤油やソースが置かれているように、リストランテのテーブルにはガラスの容器に入ったオリーブ・オイルが置かれていることからも、うかがい知ることができます。ですから、あらゆる料理に使われますし、その量もわれわれの想像をはるかに超えています。リタイアした老夫婦が、二人でひと月に5リットルも消費すると言われても、驚くにはあたらないそうです。 さらには食用ばかりではなく、その昔は灯火としても使われたり、美容や健康のために薬用として、また神事などにも使われて、生活から文化全般にわたって、あらゆる場面で目にすることができます。 日本にはその中から料理素材として、ほんの一部分が紹介されているに過ぎないわけです。しかし美味しくて健康に役立つ食用油である事は、否定のしようがない最大の特徴ですから、おおいに活用したいものです。 ニンニクやハーブの香りを付けた、フレーバーオイルを造っておくと、保存もきくので思いついた時にすぐ使えて料理がスピーディーになりますよ。オリーブ・オイルを使った当店の代表的なメニューは、「地鶏もも肉の香草風味」があります、一度お試しを。 イタリア料理や、エスニック料理が広まるに連れ、日本でも様々なハーブが、栽培されるようになって来ましたが、パセリ程誰もが知っているハーブはありません。 その昔、ハーブなどという言葉が、一般的でなかった頃から登場していました。 しかしその頃の使われ方は、いろどりのための添え物の役割がほとんどでした。とんかつやオムライスの脇に、申し訳程度に置かれている、そんな光景が思い出されます。時々食べてみましたが、苦いだけで少しも美味しくありません。 そんな不遇な立場に置かれていたパセリですが、使い方によっては料理の風味を左右する程の、重要な役割をになう活躍をします。溶かしバターに、みじん切りのパセリを振り入れれば、なんとも言えない良い香りがただよいます。そのソースを白身魚のムニエルにかければ、そのまま一流レストランの味に。あるいは、にんにくのスライスと唐辛子を、オリーブオイルでいため、パセリで香りと色どりをつけた、ペペロンチーノは、パスタ料理の定番です。家庭でよく造られるポテトサラダも、パセリを入れないと、なんとなく気の抜けたものになってしまいます。 こんな身近で便利なパセリですが、家庭で常備するのは、なかなか大変です。そこですこし多めに購入し、冷凍保存をする事をお勧めします。冷凍をしますと、生のままよりは若干香りは落ちますが、いつでも必要な時使える利便性の方が、勝ります。そこで、裏わざをひとつ。枝ごと冷凍し、使う時に指先で揉むようにすると、簡単にみじん切り状態になります、是非いちどお試しを。 今月は、寒い季節にぴったりのオニオングラタンスープをご紹介します。文字通りこのスープの主役は玉葱ですが、あまり玉葱が主役をつとめる料理は多くありません。 その代わり、玉葱を全くつかわない料理というのも、ほとんどないと言ってもよいで しょう。その位、洋食には欠かせない食材です。例えて言うなら、和食における かつおぶしや、こんぶにあたるかも知れません。料理のうまみを、いちばんベースのところで支えているのが玉葱であると言えます。そして、味の面ばかりでなく、保存性が極めて良いため一年を通して、安定して使う事ができる点も、優れた素材に欠かせない条件です。 作家の椎名誠氏がエッセイの中で「キャンプ場で玉葱にほほずりをしている男を見ても、決して彼を変態扱いしないでほしい、彼はどんな料理にも使えて、すぐ傷んだりしないすぐれものの玉葱に思わず、感謝の気持ちからほほずりをしてしまったのだから。」という意味の事を書いていますが、まさにその通りの影の主役と呼べる存在であると思います。 さて、オニオングラタンスープですが、二つ割りした玉葱を繊維に沿って薄切りにし、1人当たり半個くらいをバターで根気よく炒めるだけです。その間約1時間あまり、焦がさないように絶えずかき混ぜつずけます。濃いきつね色になり、量が10分の1位になったら出来上がりです。とろみを付けるため、コーンスターチを少量まぜ、ブイヨンでのばします。ブイヨンでなくても固形スープを溶かしたものか、水でもかまいません。塩コショウで味をととのえ、ガーリックトーストの上にチーズをたっぷり載せ、オーブンでチーズに少し焦げ目が付く位まで焼いたら、熱々をやけどしないよう召し上がってください。 |